大楠安紀ブログ

黒部市芸術創造センター「セレネ」でジャズライブを行いました。。
雨も上がり、緑がきれいで、満席のお客様に聴いて頂くことができました。

今回のライブは、長年宇奈月セレネの運営に尽力された黒部市副市長の方が昨年亡くなられ、その「追悼ライブ」でした。
ジャズの好きな方だったそうで、セカンドセット最初の2曲はリクエストに応える演奏です。
追悼ライブですが、内容的にはラブソングや春にちなんだ明るい曲を中心とした選曲にしました。
最初と最後にだけ「蓮の花」を演奏し、追悼としました。

コロナパンデミックにより、ライブがまったくできなくなりました。
その中でも「セレネ」は「月いちライブ」を継続してやってこられたことに敬意を表します。

コロナの束縛から解禁となり人出は戻ってきていますが、コロナ前と一緒ではありません。
コロナ時代に得たもの、失ったものがあってこれからの時代があります。
人前で演奏できる喜びをかみしめながら、心を込めて演奏しました。

日時、場所
4月30日(日)15:00〜
黒部市芸術創造センター セレネ
   黒部市宇奈月温泉6番地3 (Tel.0765-62-2000)

iBop(アイバップ)メンバー
●大楠安紀(ピアノ) 
●居村猛(ギター) 
●中島伸高(ベース)
●稲垣英晴(ドラム)


first set :ラブソングを

Lotus Blossom (Kenny Dorham)

今回演奏する曲はトランペッターの曲が多いのですが、心にしみる演奏で人気のあるケニー・ドーハムの有名盤『静かなるケニー』の1曲目に入っている彼の代表曲。
印象的なメロディを持つハード・バップの曲として多くの人が演奏しています。
この曲は「Asiatic Raes」と曲名を表記されることもあります。
後で演奏するビリー・ストレイホーンの同名曲と重複・混同を避ける意味合いがあるようです。

Like Someone In Love (Jimmy Van-Heusen)

1944年に作られたヒット曲。
ストレートなラブソングですが、特徴的なハーモニーの流れにより多くのジャズメンが取り上げるジャズスタンダードになりました。
この曲と後で演奏する「アイ・ヒア・ア・ラプソディ」「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」の三曲はいずれも最初はダイナ・ショアが歌ってヒットさせています。

Everytime We Say Goodbye (Cole Porter)

ジョン・コルトレーンの大ヒットアルバム「My Favorite Things」で表題曲の次に入っており、ライブでも常に「My Favorite Things」とセットで演奏されたました。
コルトレーンはテーマだけを吹き、アドリブはマッコイ・タイナーが演奏しています。
コールポーターは当時としては珍しく、作曲と作詞を両方やっていました。
曲と詩の融和性が素晴らしいですね。同じメロディーに長調と短調を両方使ったりしています。
Everytime we say goodbye,I die a little(ハードボイルド小説で使われた有名な台詞)
But how strange the change from major to minor

Menina Moça (Aquarius Y Luiz Antonio)

ボサノバはブラジルで生まれ世界中に広がった音楽ですが、ブラジルでヒットした曲がすべて広まったわけではありません。
この曲は「イパネマの娘」がヒットしたころに同じようにブラジルでヒットした曲で、凝った作りではないのですが印象に残るメロディです。

I Hear A Rhapsody (Fragos-Baker-Gasparre)

1941年にヒットしたポピュラーソングです。
独特のメロディーとハーモニーを持ち、多くのジャズメンに演奏されるジャズスタンダードとなりました。
愛している人の声が狂詩曲に聞こえるというラブソングです。
第二次世界大戦の時に作られた曲には、ストレートなラブソングが多いですね。

When You Wish Upon A Star (Leigh Harline)

ウォルト・ディズニー・カンパニーは今年が創立100周年だそうです。
ディズニーの曲ではこの曲が最も有名な代表曲として知られています。
1940年ディズニー映画『ピノキオ』の主題歌として作られました。
When you wish upon a star, Your dreams come true
「あなたが星に願う時、夢はきっと叶う」と歌われます。

second set :春にちなんだ曲を

You'd Be So Nice To Come Home To (Cole Porter)

真珠湾攻撃が行われた後に、アメリカで大ヒットしたコールポーターの名曲。
戦地に赴く兵士が愛する人にプロポーズする内容でしょうか。
多くのミュージシャンが取り上げていますが、なぜか女性歌手の名演が多いですね。
日本では「ニューヨークのため息」と評され人気のあったヘレン・メリルの初リーダーアルバム『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』に入っているバージョンで有名になりました。

Misty (Erroll Garner)

作曲者のエロール・ガーナーは、ピアノ奏法を独学で習得し、譜面も読めなかったジャズピアニストです。
独創的で、美しい旋律を生み出す演奏技法は、多くの人に愛されてきました。
エロール・ガーナーが作曲したミスティは歌詞がつけられ、多くの音楽家が取り上げるバラードの代表曲となりました。

Joy Spring (Clifford Brown)

若くして自動車事故で夭折した天才トランペッター「クリフォード・ブラウン」が作曲したナンバー。
非常にメロディアスで歌うようにアドリブをする「クリフォード・ブラウン」ですが、彼の特長がよく出た曲で、春の楽しい感じを良く表しています。

Up Jumped Spring (Freddie Hubbard)

今でもCM等で使われたりする超有名曲「モーニン」で有名なアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのアルバム「スリー・ブラインド・マイス」(3匹の盲目ねずみ)のために作曲されたトランペッター「フレディ・ハバード」の代表曲。
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズは力強い演奏で有名ですが、 「スリー・ブラインド・マイス」は、先月亡くなったウエイン・ショーターが音楽監督を務めていた時代の軽妙洒脱なアレンジと演奏が聞きやすいアルバムです。
アルバムを代表する軽やかな明るい曲となっています。

Lush Life (Billy Strayhorn)

「A列車で行こう」や「サテンドール」といったジャズを代表する曲を作曲したデュークエリントン楽団の作曲家「ビリー・ストレイホーン」の最高傑作。
「飲んだくれの人生」といった曲名でしょうか。
繊細で深い情感を持つこの曲、ビリー・ストレイホーンの人生を表す曲です。

Lotus Blossom (Billy Strayhorn)

東洋的な顔立ちで「ブッダ」とあだ名がつけられたビリー・ストレイホーンの最も美しい名曲。
ビリー・ストレイホーンが亡くなったときに、エリントンは彼の追悼アルバムを作り、最後にソロで彼への思いを込めたこの曲の演奏を残しています。

encore

On The Sunny Side Of The Street (Jimmy McHugh)

NHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」のテーマ曲として使われました。
色々なバーションがありましたが、最後に「ひなた」のラジオ番組のテーマ曲としてピアノソロで演奏されたバージョンをアレンジして見ました。

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