大楠安紀ブログ

場所:黒部市芸術創造センター「セレネ」 1F
〒938-0282 富山県黒部市宇奈月温泉6番地3
日時:11月29日(土)11:20から11:50
メンバー
居村猛(gt)
大楠安紀(pf)
中島伸高(b)
稲垣英晴(dr)

新型コロナのパンデミックで社会活動が停滞する中にあっても、ジャズライブの開催を継続してこられた「黒部市芸術創造センター セレネ」の皆さまに、深く敬意を表します。
「スパジャズウナ」として活動する中で、宇奈月が徐々にジャズの拠点として認知されつつあることを感じており、このような形で演奏の機会をいただけることを大変光栄に思います。
今回のメンバーは、石川・富山のジャズシーンで活躍している心強い仲間たちです。
ギターの居村猛さんとは、2000年に東京で出会って以来、長年にわたり共に演奏を続けてきた盟友です。
ドラムスの稲垣英晴さんとは以前から親しく、2005年頃に富山へ戻られてから本格的に共演するようになりました。
ベースの中島伸高さんとは、私が還暦トリオを結成した際よりご一緒しています。
今回は、これまで演奏してきたレパートリーの中から、このメンバーならではの選曲で、主に1960年代以降の作品をお届けします。
私たちのジャズの魅力を、心ゆくまで楽しんでいただければ幸いです。


プログラム

Driftin’ (Herbie Hancok)
Alfie (Burt Bacharach)
Menina Moça (Aquarius Y Luiz Antonio)
Three Views of a Secret (Jaco Pastorius)

(1) Driftin’(Herbie Hancock)
チック・コリアやウェイン・ショーターが亡くなった現在、ジャズ界の“現役レジェンド”として真っ先に挙げられるのがハービー・ハンコックです。
彼は1962年に21歳でアルバム『テイキン・オフ』をリリースし、全曲オリジナルでデビュー。
その若さからは想像できないほどの卓越した作曲センスと高い演奏力を示しました。
収録曲「ウォーターメロン・マン」はモンゴ・サンタマリアによるカヴァーが大ヒットし、ハンコックの名を一気に世に広めます。
「ドリフティン」も同アルバムに収められた一曲で、軽快なビートとファンキーなフレーズが魅力の作品です。
初期ハンコックらしい明快さと若々しいエネルギーが詰まっており、現在でも多くのミュージシャンに愛され続けています。

(2) Alfie(Burt Bacharach)
映画『アルフィー』(1966年)の主題歌として書かれ、翌年グラミー賞を受賞した、バート・バカラックの代表作です。
バカラックらしい洗練されたメロディと豊かなハーモニーが際立ち、多くのヴォーカリストに歌われる名曲として知られています。
一方で、その独特で美しいコード進行はジャズミュージシャンからも高く評価され、特にピアニストによって多く取り上げられてきました。
歌としての魅力と、ジャズ的な即興の余地を兼ね備えた、幅広い表現が可能な楽曲です。

(3) Menina Moça(Aquarius & Luiz Antonio)
ボサノヴァはブラジルで誕生し世界中に広まりましたが、国際的に知られる曲はごく一部です。
「メニーナ・モッサ」は「イパネマの娘」と同時期にブラジルでヒットした曲で、国内では親しまれてきました。
シンプルで耳に残るメロディが魅力で、穏やかなボサノヴァのリズムと相まって柔らかい雰囲気を生み出します。
知名度こそ高くないものの、ボサノヴァの多様な魅力を感じられる一曲です。

(4) Three Views Of A Secret (Jaco Pastorius)
エレクトリックベースに革命を起こしたジャコ・パストリアスの代表曲の一つで、ウェザー・リポートのアルバム『Night Passage』に収録されています。
のちに自身のビッグ・バンドでもたびたび演奏し、彼の音楽性を象徴するレパートリーとして定着しました。
3つのキーを行き来する叙情的なワルツのメロディと立体的なアレンジが特徴で、ベースが主役でありながらアンサンブル全体が豊かな表情を持つ楽曲です。
作曲家としてのジャコの繊細さと大胆さが感じられる名作です。
今回はピアノを中心としたアレンジで演奏します。


ブログ記事一覧