木造住宅耐震改修研究所コラム

耐震改修チャート

5月5日午後2時42分ごろに石川県能登地方を震源とする地震が発生しました。
震度6強の揺れがあり、死者・負傷者・建物の倒壊・大破等がでました。

石川県能登地方(珠洲市付近)では2018年頃から地震(地殻内)が増加傾向で、2020 年12月から地震活動が活発で、2021年7月頃からさらに活発となり、震度6弱~震度1の地震を多数観測しています。
これまでの最大規模の地震は、2022年6月19日のM5.4(深さ13km、珠洲市で震度6弱)の地震です。
今回の地震はマグニチュード6.5であり、これまでより強い地震となっています。

地震強度と建物倒壊の相関関係

木造住宅の耐震性の評価は『Iw値』を用います。
Iw値とは建物の粘り強さに形状や経年等を考慮して算出される構造耐震指標のことを言います。
Iw値は『Iw値=Pd(家の保有耐力)/Qr(耐震のために必要な耐力)』という式で算出することができます。

これまで当研究所で診断した昭和56年5月31日以前に着工された旧耐震の木造住宅は、ほとんどがIw値0.4以下となっています。
2階建て瓦屋根の旧耐震木造住宅において、Iw値0.4を超えることはほとんど無い状況と言えます。

耐震改修チャート(研究に基づく参考)において
Iw値0.4以下の木造住宅の場合、震度6以上の地震において建物の倒壊が始まり命を落とす危険性が高いと言えます。

今回の石川県能登地方の地震において、震度6強の揺れにより建物の倒壊がありました。
石川県能登地方は、これからも大規模地震発生の可能性は高いと言われていますし、周辺地域も決して安心と言えない状況です。

Iw値を1.0以上とする耐震改修を実施すれば、木造住宅が倒壊する可能性は少なくなります。
耐震診断・改修を検討して頂ければと思っています。


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