大楠安紀ブログ

高岡ジャムハウスで、私のピアノトリオのライブを行いました。
初めて聴きに来てくれた方々もいて、とても喜んで頂きました。

2022/11/11(金) 20:00〜
jam session after playing
No Charge (need drink order)

Jam House
高岡市新横町1259
Tel. 0766-21-2494

●大楠安紀(ピアノ)
●中島伸高(ベース)
●佐野友重(ドラムス)



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今日のライブは秋の夜長に相応しいバラードを中心に演奏します。
ゆっくりとお酒を飲みながら、気楽に聞いて下さい。

新型コロナウイルス感染症により、人と人の接触が制限されほぼ3年ライブ活動が皆無となってしまいました。
この間、色々な関係が壊れた所もありますが、自分自身を見つめ直す良い機会となった面もあります。
コロナパンデミックの間、毎日5分でもピアノにさわるようにして、これまで弾いてきた曲をレパートリーとしてまとめました。

今日のメンバーは、私が還暦の時に新しいメンバーに声を掛け結成したトリオです。
ここ3年間演奏できませんでしたが、ようやく今年8月にライブの機会を頂きました。
私のホームグランドとも言えるここジャムハウスのC7で演奏ができて嬉しいです。

Program


First set :Ellington Ballade Medley

毎年1曲ずつデュークエリントンのナンバーを弾けるようにしてきました。
最初のセットは全てエリントンのバラードナンバーをメドレーで演奏します。

Solitude (Duke Ellington)

「孤独」と言った曲名。
20世紀最高の女性ジャズ歌手ビリー・ホリデイを代表するグラミー賞を取った彼女の代表曲です。今年公開された映画「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」の中も圧倒的な存在感を示していました。彼女の生涯を感じる名曲です。
シンプルな構成とメロディーですが、孤独のつらさや忘れされたい記憶を感じさせる曲です。
福田重男編曲。

Mood Indigo (Duke Ellington)

エリントン楽団の演奏をそのままピアノで弾いています。
音数を最小限にしたバラードになっています。
AメロはベースにBメロはピアノが弾きます。
AメロとBメロの対比をお聞き下さい。

Prelude To A Kiss (Duke Ellington)

半音階で複雑な進行で作曲された洗練された楽曲。
それまでのジャズを革新したエリントンを象徴する曲です。
複雑さを感じさせないようなスムーズなメロディを弾きたいと思っています。
福田重男編曲。

I Got It Bad And That Ain't Good (Duke Ellington)

2000年から日本最高のジャズピアニストの一人福田重男に習い初めましたが、その頃はバラードもルバートも弾けませんでした。
この曲は、自分で初めてヴォイシングをした曲で、福田重男に多少手を入れてもらいましたが、認めて頂いた曲です。
ビルエバンスが彼の最初のアルバムで演奏したバージョンをベースとしています。

Sophisticated Lady (Duke Ellington)

エリントンが彼の女性教師をイメージした曲。
エリントンは多くの曲を通常20分ぐらいで作曲していたそうですが、この曲は3ヶ月ほどかかったそうで、凝った作りになっています。
福田重男が編曲したメロディに合わせたヴォイシングが魅力的です。

Lush Life (Billy Strayhorn)

エリントンの右腕であり、「テイク ジ A トレイン」などのエリントン楽団の名曲を作ったビリーストレイホーンの代表曲。
繊細で複雑な曲構成、曲のイメージを壊さないように弾きます。

Lotus Blossom (Billy Strayhorn)

ビリーストレイホーンの最も美しい名曲。
ビリーストレイホーンが亡くなったときに、エリントンは追悼アルバムを作って、最後にソロで思いを込めた演奏を残しています。
コロナパンデミックの間、弾いてきた曲です。

Second set :Dedicated to Jazz Giant

セカンドセットは、私がジャズの巨匠に捧げた、名曲を弾きます。

Valse Hot (Sonny Rollins)

今でも生きているジャズ界最大の巨匠、ソニーロリンズの曲。
1954年マイルスデイヴィスの誘いを蹴ってシカゴに引きこもったロリンズでしたが、マックスローチが自分のクリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテットに誘い、そのバンドをバックにアルバムを作ります。そのために書いた曲が「バルスホット」です。
この時作ったアルバム「 Sonny Rollins Plus 4」の3ヶ月後クリフォードブラウンは自動車事故で亡くなってしまします。彼の公式録音はこのアルバムが最後となってしまいました。

Blackbird (Paul McCartney)

今回のライブで唯一ジャズ以外のビートルズの曲。
シンプルな曲に聞こえますが、譜面にすると結構複雑です。
この曲はあらゆるジャンルで演奏されており、ジャズでもジャコ・パストリアスを初めてして名演が多数あります。
今回は、現代ジャズピアニストの最高峰の一人「ブラッド・メルドー」のアレンジを元に演奏します。

Everything Happens To Me  (Matt Dennis)

ジャズ界奇人中の奇人「セロニアス・モンク」の演奏をイメージして演奏します。
モンクは数々の独創的な作曲をした人ですが、自分の曲でなくても明らかにモンクと解る演奏をします。
独特のメロディー、バーモニー、リズムを感じて頂ければ幸いです。

Ruby My Dear (Thelonious Monk)

セロニアス・モンクの2番目に有名なバラード。
変人のイメージが強いモンクですが、彼の作曲はとっても高度に練り上げられた音楽性の高い曲になっていると言えます。
エリントンと同様に複雑な曲ながら、流れるように綺麗な曲となっています。

How My Heart Sings (Earl Zindars)

モダンジャズピアノのスタイルを確立したのはビル・エバンスと言えます。
この曲の作曲者アール・ジンダースはビル・エバンスの朋友として新しいジャズピアノのスタイルを作り上げています。難しい曲ですが、ビル・エバンスのイメージで演奏します。

Darn That Dream (Jimmy Van Heusen)

ジャズ界の帝王マイルス・デイヴィスは、生涯で演奏スタイルを色々と変えていったことで有名です。BeBop,Cool,Mood,Electric,Hip Hop,etc。
彼のファンの間では、どの時期のマイルスが良いかよく議論になります。
少数派ですで私はCoolの時代が一番好きです。
その代表作である「クールの誕生」から2曲お届けします。

Boplicity (Cleo Henry)

マイルス・デイヴィスのアルバム「クールの誕生」の代表曲。
作曲者のCleo Henryは著作権の関係でマイルスの偽名、実際はマイルス作曲と言われています。
ギルエバンスによる9人編成のバンドアレンジをなるべく再現するようなピアノ編曲としています。


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