木造住宅耐震改修研究所コラム

施工自習風景

富山県と県住まい・街づくり協会主催で、「木造住宅耐震リフォーム達人塾対面版 施工演習編」が2月6日に富山市職業訓練センターで開催されました。
工務店や設計事務所関係者、行政の方々が低コストの施工方法を学びました。
講師は、
名古屋工業大学大学院 教授 井戸田秀樹
(株)えびす建築研究所 代表取締役 花井勉
(株)U建築 代表 丸谷勲

以前にもこの達人塾は開催されましたが、新型コロナウイルス感染症が広がってからオンライン版のみになり、対面版での開催は3年ぶりです。
施工実習は、やはり現物で無いと解らない部分が多くありますし、疑問点をその場で質疑応答できるので大切なところの理解が深まります。

耐震改修は、日本建築防災協会が定めた耐震診断と補強方法が基本となります。
建築基準法や日本建築防災協会(通称:建防協)が定めた補強方法は基本的なものにとどまり、現場に即した応用的なものを使う基準がありませんでした。
しかしながら、耐震リフォーム達人塾では、名古屋工業大学が中心となって、現場に即応した改修方法を実験で試験して基準作りをし、「愛知建築地震災害軽減システム研究協議会」(通称:減災協)が低コスト耐震補強の手引き書として取りまとめられています。
富山県でも減災協に定められた内容は耐震改修に使って良いとされ、改修のバリエーションが増えています。

低コストで改修を行う内容は色々ありますが、ポイントは、
床・天井を解体せずに、壁の補強で改修する事です。

そのための有効な改修方法として、今回の施工実習編では2つの方法を研修しました。
(1)真壁「上下あき」アルミアングル下地
 和室で床・天井を残し、柱と塗り壁のチリの部分にアルミアングルをとりつけ下地として、合板補強を行う方法。
 下地はアルミアングルのみで間柱、上下受け材は不要ですので塗り壁の撤去は一切不要となります。
(2)部分開口 構造用合板補強方法大壁「上下あき」裏桟なし
 床・天井を残し、構造用合板を裏桟なしで、大壁補強する方法です。

私の改修方法では、主に外壁・押入での改修が多く、和室で改修するケースが少なく、耐震リフォーム達人塾のメニューを使うケースは無かったのですが、色々な改修の手法を持っていた方が、対応がしやすいので参考になります。
又、質疑応答で現場ではメニューと異なっている場合があったときの可否等について色々と教えて頂き勉強になりました。


研究所コラム一覧