木造住宅耐震改修研究所コラム

地震調査研究推進本部 日本国内主要断層帯評価結果 Sランク (2021/1/13)



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富山県は自然災害が少ないところ

「富山県は自然災害が少ないところ」と富山県民は言います。

確かに1986年の飛越地震以来、大きな地震は発生していません。
洪水も富山県史が河川改修の歴史と言われるほど膨大な費用と労力をかけて整備され、大きな災害が起こりにくくなっています。
風被害も立山連峰のおかげで守られていると言われています。
火災発生件数の少なさも全国1位です。

しかしながら、国の地震調査研究推進本部の調査研究を見ると楽観できる状況でないことがわかります。

富山県の地震発生予測

地震調査研究推進本部が2021年1月13日に公表された日本国内の主要断層帯の評価結果をみると、富山県でいつ大規模な地震が起きても不思議でありません。

たとえば、全国に31ヶ所あるSランクの断層に
・砺波平野断層帯・呉羽山断層帯
が入っています。

https://www.jishin.go.jp/evaluation/evaluation_summary/#danso

また、
・隣石川県の森本・冨樫断層帯がSランク
・邑知潟断層帯がAランク
であり、ともに富山県で大きな被害が発生する予想となっています。

▫️砺波平野断層帯・呉羽山断層帯 (砺波平野断層帯東部)
長期評価で予想した地震規模 (マグニチュード) 7.0程度
我が国の主な 活断層における 相対的評価   S*ランク
地震発生確率  
30年以内  0.04%~6%
50年以内  0.06%~10%
100年以内  0.1%~20%
経過率    0.5-1.4  最新活動(地震発生)時期から評価時点までの経過時間を、平均活動間隔で割った値
最新活動時期 約4,300年前-3,600年前
平均活動間隔 3,000年-7,000年程度

注)Sランク(高い)30年以内の地震発生確率が3%以上(全国で35ヶ所)
  Aランク(やや高い)30年以内の地震発生確率が0.1〜3%未満(全国で51ヶ所)

最近発生した大規模な被害のあった断層型地震と比較しても同等あるいはそれ以上の発生確率となっています。
参考)地震調査研究推進本部「主要活断層帯の長期評価の概要(H29.1)」より
【過去の大地震における 30 年以内の地震発生確率】
■阪神・淡路大震災(六甲・淡路島断層帯の一部)...... 0.02〜8%
■熊本地震(布田川断層帯(布田川区間)) ...... ほぼ 0~0.9%



富山県地震被害想定 (富山県防災・危機管理課 地震被害想定調査より)

富山県放哉・危機管理課では政府の地震発生予測に基づき、被害想定を出しています。
この内容からすると甚大な被害が予想されます。


   
呉羽山断層帯 砺波平野 断層帯西部 森本・富樫 断層帯 邑知潟断層帯
物的被害 建物全壊(棟) 90,424       14,312      3,545   89,066
建物半壊(棟)  273,752        42,842       21,156   80,590
人的被害 死者(人) 4,274         431         65      3,557
負傷者(人)             20,958        5,795       2,104    19,590

富山県の断層

呉羽山断層 地震発生規模予想(富山市、射水市の湾岸部がほぼ壊滅状態)


邑知潟断層帯 地震発生規模予想(高岡市、氷見市の中心部がほぼ壊滅状態)


砺波平野 断層帯西部 地震発生規模予想(富山県中央部、西部において広範囲な被害発生)




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富山県を襲った過去の地震

1858年 4月 9日(安政 5 年)
飛越地震(飛騨・越中・加賀・越前)

常願寺川の上流が堰き止められ、後に決壊して、死者 140 名、家屋倒壊及び流出 1,612 棟、大山町で山崩れにより死者 36 名。
最大震度6​

1586年 1月18日(天正 13 年)
天正地震(畿内・東海・東 山・北陸)

被害地域の記録が日本海の若狭湾から太平洋の三河湾に及ぶ歴史上例のない大地震
高岡市南西部の 木舟城が地震で倒壊、城主の前田秀継夫妻など多数が死亡(前田秀継は前田利家の弟)
富山湾で津波が発生し、溺死者多数、庄川流域での被害多数
最大震度5